31歳、年間30億円

21歳でウェブ広告の世界に入った。

最初は小さな案件の運用代行。月10万円の広告費を預かって、CPA(顧客獲得単価)を下げることだけを考えていた。

そこから10年。気がつけば、年間30億円以上の広告費を取り扱い、累計800社以上の集客を支援する事業になっていた。

Meta広告、Google広告、Yahoo広告、LINE広告。あらゆる媒体の運用を経験し、数千本のクリエイティブを回し、数万回のA/Bテストを実行した。

その過程で、一つの確信に至った。

広告は、事業の問題を解決しない。

広告が解決できないもの

広告運用者として、私は何度も同じ光景を見てきた。

クライアントが言う。「広告を回してほしい」。

私たちは全力で運用する。CPAを下げ、CTRを上げ、ROASを改善する。数字は確かに良くなる。

しかし、事業は伸びない。

なぜか。

プロダクトがズレているからだ。

戦略で考えたものと、実際につくられたものが違う。つくられたものと、広告で訴求しているものも違う。このズレがある限り、どれだけ広告を最適化しても、根本的な成長は起きない。

800社を見て気づいた「構造的欠陥」

800社以上を支援してきて、成功する事業と失敗する事業の違いが見えた。

成功する事業は、戦略・プロダクト・集客が一本の線でつながっている

「誰の、どんな課題を解決するか」が明確で、プロダクトがその課題を正確に解決し、広告がその価値を正確に伝えている。ズレがない。

失敗する事業は、この3つが分断されている

戦略チームが考えたことを、開発チームが「なんとなく」つくる。マーケティングチームが、できあがったものを「なんとなく」売る。それぞれは一生懸命やっている。しかし、全体としてはズレている。

この分断は、組織構造から生まれる。戦略担当、開発担当、マーケティング担当が別々の人間で、別々の時間軸で動いている限り、ズレは必然的に発生する。

これが「構造的欠陥」だ。能力の問題ではなく、構造の問題。

広告屋が開発まで手を出す理由

この10年間、私の仕事は「広告運用」だった。

広告の上流にある「プロダクト」や「戦略」には、基本的に口を出さない。それはクライアントの領域だ。私たちは、渡されたものを最適に配信することが仕事だった。

しかし、どうしても無視できなくなった。

CPAが悪い原因が、広告ではなくLPにあるケース。LPの問題ではなく、そもそもプロダクトの設計にあるケース。プロダクトの問題ではなく、市場選定にあるケース。

広告だけを最適化しても、事業全体の最適解にはならない。

この確信が、「事業起動スプリント」を生んだ。

AI が変えたゲームのルール

きっかけはAIだった。

2024年以降、GPT-4やClaudeの登場で、開発コストが劇的に下がった。かつて数百万円かかったWebアプリが、数時間で構築できるようになった。

これを見て、パズルの最後のピースが埋まった。

  • 戦略設計: 800社の支援で培ったフレームワークがある
  • 広告設計: 年間30億の運用で蓄積したノウハウがある
  • 開発: AIが一気にコストを下げた ← New

「戦略・開発・広告を、一人で、24時間で、一気通貫でやれる」。

理論的には可能だとわかっていた。しかし開発コストが高い時代には、現実的ではなかった。AIがそのボトルネックを取り除いた。

広告屋だからこそ見える設計

10年間、広告の出口側にいた人間は、独特の視点を持っている。

普通のコンサルタントは「何をつくるか」を考える。 普通のエンジニアは「どうつくるか」を考える。

広告運用者は、**「それ、広告で売れるか?」**を考える。

  • このプロダクトの訴求軸は何か
  • 広告クリエイティブにしたとき、ユーザーの手が止まるか
  • CPAはいくらに収まるか
  • LTVとの整合性は取れるか

この視点を、戦略設計の段階から入れる。つまり、「売れる構造」を最初から組み込んだ状態でプロダクトを設計する。

これは、戦略コンサルにも、開発会社にも、できない。広告の出口を知っている人間だけが持つ設計力だ。

100万円の意味

「戦略も開発も広告も、全部込みで100万円」。

この価格設定にも意図がある。

通常、戦略コンサルに50万、開発に200万、広告設計に30万、合計280万。そして3ヶ月かかる。

私たちは100万円で、24時間で終わらせる。

安いのではない。構造が違うのだ。

3社に分業すれば、引き継ぎコスト、コミュニケーションコスト、手戻りコストが発生する。一人が一気通貫でやれば、それがすべてゼロになる。

削減したコストを、そのまま価格に反映している。

「広告を回してほしい」に、もう戻らない

今も広告運用の事業は続けている。それは大切な仕事だ。

しかし同時に、広告だけでは解決できない問題があることも知っている。

事業の上流——「何をつくるか」「誰に売るか」「どう設計するか」——ここが正しければ、広告は少額で回る。ここがズレていれば、いくら広告費を積んでも無駄になる。

10年かけて気づいたことは、結局これだけだ。

広告は、正しく設計された事業を加速する装置であって、ズレた事業を修正する道具ではない。

だからこそ、事業の起動地点から関わる。戦略を立て、プロダクトをつくり、広告で回せる状態まで一気に持っていく。

それが「事業起動スプリント」だ。